Journalist

ジャーナリスト

NHK時代も独立してからも、自分で取材したことを自分の言葉で伝えるというジャーナリストとしての仕事をライフワークと考えています。大切にしているのは、大手のマスコミとは違った視点で物事を捉え考えること。東京一極集中に陥りがちな日本のメディアのあり方に一石を投じ続けています。もう一つ心がけているのは、弱者やマイノリティーの声に耳を傾けること。ラジオ番組や新聞・雑誌の連載などを通じて、他のメディアが取り上げないニュースや情報を、これからも積極的に発信していきたいと思います。また医療ジャーナリストとしても、様々な医療の現場で取材を続けています。

ジャーナリストの資質とは

自分が取材したことを、自分の言葉でわかりやすく伝える…ジャーナリストに求められる資質は極めて高いものだと思います。私の場合、ディレクターとして番組を制作し、アナウンサーとして伝えることを両立してきましたから、こうした一連の流れが出来ています。あとは、どんな視点を持って何を伝えるのか…権威や権力におもねることなく、あくまでも自分のスタイルを貫きたいと思います。

資料を探す寺谷一紀

東京一極集中へのアンチテーゼ

そもそも東京への転勤を断ってNHKを辞めているわけですから、東京一極集中の日本のあり方を変えていきたいという思いが根底にあります。NHK時代も独立してからも、メディアの偏向した報道姿勢に疑問を感じずにはいられませんでした。どんなに素晴らしい情報でも、東京以外のエリアからの発信は重要視されない風潮があるのです。さらにいえば、大手のマスコミは大なり小なり権威や権力になびきがちです。イギリスのBBCのように、自国の国益に反することでも堂々と報道するという、本来のジャーナリズムは日本に存在しません。だからこそ、私は弱者やマイノリティーの視点を大切にし、他のメディアが関心を示さないことを積極的に取り上げていきます。

医療ジャーナリストとして

私は、NHK時代から医療現場での取材経験が豊富で、一般の方ではなかなかわからない医療の裏側を垣間見てきました。こうした専門性を活かし、医療ジャーナリストとしても活動しており、テレビやラジオで医療に関する話題をシリーズで放送したり、医療に関する著作も共同執筆したりしています。
また、中学1年生の頃から医学や感染症の歴史に興味を持ち、ライフワークとして研究しています。そんなことから、新型コロナウイルスのパンデミックについても、独自の視点からコメントをしており、番組などを通じて発信しています。

この番組はケーブルテレビから後に地上波へ
この番組はケーブルテレビでの放送から後に地上波へ

病院や歯科医院など医療の現場からリポート
病院や歯科医院など医療の現場からのリポート

あくまでも電波や活字を通して

幸い、NHKを退職してからはフリーランスの立場ですから、組織のことなどを気にすることなく、自由闊達に取材し伝えることが出来ています。自分の名前を冠したラジオ番組などは、多くの方に情報を発信するかけがえのないツールとなっていますし、新聞や雑誌の連載も大きな武器です。大学などでの講義や講演も、地道ではありますが大切な発信の場所です。インターネットやSNSの影響力を考えれば、それらを通じた発信も必要なのかも知れませんが、真偽とりまぜた情報が無責任に氾濫している現状を見ると、やはり私は番組や活字媒体にこだわりたいと思います。公共の電波や、後々まで残る活字だからこそ、責任を持って自分の考えを伝え、是非を問うことが出来るのではないか、そう信じて明日も取材に出かけます。

ラジオ収録での一コマ